キングダム ハーツII - Wikipedia
『キングダム ハーツII』(KINGDOM HEARTS II、略称:KH2、KHII)は、2005年12月22日にスクウェア・エニックスより発売されたプレイステーション2用ゲームである。名前は『II』だが、キングダム ハーツ シリーズの第3作目にあたる。
これまでのシリーズと同様、ディズニーとスクウェア・エニックスのコラボレーションとして、ディズニーとファイナルファンタジーシリーズから多数のキャラが出演。野村哲也がディレクターを務め、主題歌は再び宇多田ヒカルが『Passion』(英語版は『Sanctuary』)で担当した。ディズニーからはトロンやイェン・シッドといったマイナーな作品や人物が登場し、FFからは『FFIX』のような野村がキャラクターデザインをしていない作品も出るようになった。
2003年9月の東京ゲームショウ2003で『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』(以下COM)と同時発表された。野村も認めている通りこの発表が開発が始まってすぐという早足なタイミングであったのも確かで、結局『COM』の発売はそれから1年後、『KH2』においては2年後となり、結果ユーザーを長らく待たせることとなってしまった。
『KH』シリーズのナンバリングタイトルとしては第2作目であり、第1作目の『キングダム ハーツ』の続編であるが、シナリオは『KH』→『COM』→『KH2』と連続しているため、『COM』との関連性も強く、また『COM』で起こった出来事の詳細は『KH2』上においては省略されている(敵組織であるXIII機関の一部が『COM』で倒されているため欠員がある、「ナミネにお礼を言う」というジミニーメモなど)。製作側は「『COM』を知らなくてもプレイに支障はない」と発言しているが、GBAで発売された『COM』はハードの違いからプレイしていないユーザーも多かったため、本作の英語音声版『ファイナル ミックス』にPS2版リメイク『Re:チェイン オブ メモリーズ』が付属することとなった(詳しくは後述)。
限定版として、『キングダム ハーツ トリニティマスターピース』も発売された。『KH』『COM』『KH2』の3作がまとめられたセットである。
発売後3日で出荷枚数100万本突破という記録を残し、シリーズの人気を印象づけさせる結果となった。また、北米でも発売後1週間で100万本の売り上げを達成しており、更に欧州での発売によって2006年末には全世界でのシリーズ累計出荷本数が1000万本を突破した。2011年現在、日本国内で本作がシリーズとしては唯一のミリオンソフトであり、KHシリーズNo.1の売上を誇る。また、2011年の時点では、PS2用ソフトの販売本数第8位である。発売前のゲームに送られる「The 9th CESA GAME AWARDS FUTURE」にて優秀賞を受賞。「ファミ通アワード2005」では大賞を受賞し、野村も最優秀クリエイター賞を受賞している。さらには日本ゲーム大賞2006 優秀賞を受賞した。
[編集] キャッチコピー
世界は光と闇でできている 俺たちは闇になるのさ
果てに待つ真実……。誰かの語る言葉じゃなく、自分の心で知りたい
[編集] KH2FM+
別々の心がとけあう時、もう一度その手はつながれる
[編集] ゲームとしての特徴
基本的なシステムは第1作『キングダム ハーツ』を基に、カメラワークの変更や新システムの導入など全体的にブラッシュアップされている。これにより第1作とは趣の変わった戦闘が出来るようになり、戦略の幅が広がった。戦闘以外にも、第1作ではセーブポイントでしか変えられなかったパーティメンバーをどこでも変更出来るようになったり、ダンジョンが単純化(それに伴いジャンプアクションも減少)、ワールド間の移動「グミシップ」がよりシューティングゲームらしくなっているなど、様々な変更点がある。
前作で「たたかう/まほう/アイテム/?(状況に応じて変化する)」だったコマンド欄は「たたかう/まほう/アイテム/ドライヴ」になり、「たたかう/しょうかん/チェンジ/れんけい」のコマンド欄に切り替えられるようにもなった。それらの新システムの中から、特筆すべきものを以下に記述する。
[編集] ドライヴ
新たに追加された「DRIVEゲージ」を消費してフォームチェンジを行い、ソラの戦闘能力を上げることが出来るシステム。使用するとソラの服の色と戦闘スタイルが変わる。発動の際にはHP・MPが全回復し、周囲の敵を吹き飛ばすことができるので、ピンチの時の切り札にもなる。変身できる時間は限られているが、時間の上限はフォームのレベルやアビリティにより上げることが出来る。各フォームにはアクションやサポートに関わる固有のアビリティが設定されており、自分でカスタマイズすることは不可能となっている。
なぜ28日後に陰鬱な映画です。
- ■スタンダードフォーム
- 普段のソラの姿。チェンジ後のフォームと比べると能力アップの恩恵は得られないがアビリティの制限がなく、各フォームのレベルアップに応じて強化されるグロウアビリティを複数装備できるため汎用性は随一。
- ■ブレイヴフォーム
- キーブレードによる攻撃を強化した近距離戦型の赤いフォーム。2本のキーブレードを操ることで攻撃力は2本の合計になり、アビリティも2本分使える。更に移動スピードも速くなり、ジャンプ力と滞空時間も強化される。ただし魔法による攻撃は一切使用出来ないため遠距離からの攻撃には苦戦を強いられ、リフレクトガードも使えないため防御性能も高くない。中盤に攻撃力が高く魔法も使えるマスターフォームを覚えると、使用することは必然的に少なくなるため、序盤向けのフォームといえるだろう。グロウアビリティはハイジャンプ(通常より高くジャンプできる)。グーフィーの力を借りて変身し、ゲージを3消費する。
- ■ウィズダムフォーム
- 魔法による攻撃を強化した遠距離戦型の青いフォーム。キーブレードを使った物理攻撃は使えないが、代わりに通常攻撃が魔法の弾を打ち出す「ショット」になり、また魔法の連射・威力の強化などが出来るようになる。地面を滑るように移動し、移動しながらの攻撃が可能。魔法の発動時間が短くなっており、ショットの連射能力と合わせると攻撃を途切れさせることなく敵にダメージを与え続けることが出来る。しかし攻撃力の低さはネックで、使いこなすには慣れが必要なフォーム。魔法好きならもってこいともいえる。グロウアビリティはエアスライド(滑るように高速移動する)。ドナルドの力を借りて変身し、ゲージを3消費する。
- ■マスターフォーム
- キーブレード・魔法攻撃の両方が強化される黄色いフォーム。ブレイヴフォームとウィズダムフォーム両者の性能を持ち合わせている。キーブレードが2本になり、左手のキーブレードは掌から離れて宙に浮く。攻撃力や魔法力が二本分になり、アビリティも二本分なのはブレイヴフォームと同じだが、こちらは魔法と物理攻撃のどちらも行うことが出来る。地上で行う攻撃が全て敵を空中に上げるもののため、地上コンボが存在せず、2段ジャンプを使った空中戦を得意としている。ただし移動スピードはチェンジできるフォームの中では一番遅く(FMではリミットフォームが最も遅い)、消費するドライヴゲージも前述の2フォームより多くなっている。グロウアビリティはエアドッジ(2段ジャンプすると同時に敵の攻撃をガードする) 。仲間2人の力を借りて変身し、ゲージを4消費する。
- ■アンチフォーム
- フォームチェンジを使う毎に溜まっていく「アンチカウント」(画面上では確認出来ない)が増えると変身することがあるフォームで、自分からこのフォームを選んで変身することはできない。『KH』に登場したハートレス「アンチソラ」に酷似した姿を持つ。獣が走るような四足歩行にキーブレードを使わず素手で戦う野生的な戦闘スタイルで、全フォーム中最速という驚異的なスピードと連続攻撃による爆発的なパワーを持ち合わせる。ただし移動・攻撃・ジャンプ以外の操作を行う事は出来ず、ドライヴゲージを全て消費する、メニューが開けなくなる、受けるダメージが増加するなどのデメリットの方が目立つ。魔法も使えず回復プライズも拾えないので、僅かなダメージを受けても致命傷となりやすい。どのフォームを選んだ� ��しても(ファイナルフォームを除く)、このフォームに変身してしまうと仲間2人がいなくなる。マップを切り替えるか、ゲージがなくなる(攻撃することで減りが速くなる)、敵がいない状態でコマンド「リターン」を選ぶと戻る。また、『ファイナル ミックス』で追加されたキーブレード「めぐりあう二人」を装備すると、ウェポンアビリティ「ライト&ダーク」の効果により100%アンチフォームに変身するようになる。このフォームは小説版でも僅かながら登場している。
- ■ファイナルフォーム
- キーブレードの真の力を解放した銀色のフォーム。2本のキーブレードがソラの後方で交差して宙に浮いており、意思を持つかの様に攻撃する。更に魔法攻撃も強化され、移動しながらの攻撃も出来るという、あらゆる能力に長けた遠近どの距離でも戦える最強のフォーム。絶えず地表から浮いていて滑空も出来る様になり、移動スピードもかなり速くなる。消費するドライヴゲージがマスターフォームよりも多く、またフォームレベルを上げにくいという欠点は僅かにあるが、実用性はどのフォームよりも断トツといえる。しかも、このフォームにチェンジした時は絶対にアンチフォームにはならず、「アンチカウント」も激減するというメリットも持つ。固有アビリティの「オートアサルト」によってキーブレードがソラをサポート� �る様に動く。グロウアビリティはグライド(ジャンプした後に地表を滑空する)。仲間2人の力を借りて変身し、ゲージを5消費する。
- ■リミットフォーム
- 『ファイナル ミックス』で追加された、『KH』『COM』までのソラの服と同じカラーリングのフォーム。『KH』で使用できた攻撃アビリティが揃っており、さらに「リミット技」として4つの必殺技(ソニックレイヴ・ラストアルカナム・ストライクレイド・ラグナロク)が使えるようになる。リミット技がヒットするとHPが回復し、ダメージを受けるとMPが回復するため非常に強力なフォームになっている。グロウアビリティはドッジロール(素早く前転して攻撃を回避する)。なお、このフォームのみコンボ途中に□ボタンを入力すると、攻撃ではなく、コンボを途切れさせることなくリフレクトガードを行えるという上級者向けの仕様になっている。他のフォームとは違い変身に仲間の力は必要なく、一人の戦いの時も使用できるが、リミット技の使用� ��のみ仲間が一時的にいなくなる。ゲージを4消費する。
[編集] れんけい
ソラがパーティメンバーや召喚キャラと連携攻撃を繰り出すシステム。ソラのMPを全て消費して、多数の敵を巻き込む強力な技を使用することが出来る。
- パーティメンバーとの連携
- ファンタジア (×ドナルド)
- フレアフォース (×ドナルド)
- ユニゾンアスリート (×グーフィー)
- トルネドフュージョン (×グーフィー)
- トリニティリミット (×ドナルド&グーフィー)
- ドラゴンブレイズ (×ムーラン)
- ハウリングムーン (×ビースト)
- オーバードライブ (×アーロン)
- トレジャーアイランド (×ジャック・スパロウ)
- トリックスター (×アラジン)
- アプローズプリーズ (×ジャック・スケリントン)
- キングスプライド (×シンバ)
- フルコンパイル (×トロン)
- エターナルセッション (×リク)
- 召喚キャラとの連携
- FPS (×チキン・リトル)
- ソニックレイヴ (×ブレイヴジーニー)
- ストライクレイド (×ウィズダムジーニー)
- ラストアルカナム (×マスタージーニー)
- ラグナロク (×ファイナルジーニー)
- オハナ!! (×スティッチ)
- ネバーランド (×ピーター・パン)
[編集] リアクションコマンド
状況に合わせて△ボタンで使用することが出来る。マップ移動中の、宝箱を開けるときや人と話す時にもリアクションコマンドを使う。バトル中の敵の多くにも専用のコマンドが設定されており、バトル中に条件を満たしコマンドを使うことによって強力な攻撃を繰り出すことが出来る。いくつかのボス戦では更に派手な演出が用意されている。
元々は野村が『ファイナルファンタジーVIII』の開発時に考案したアイディアだったが、当時は実現不可能ということで断念。本作の開発にあたり、バトルを進化させる為と、リアルタイムの操作感の向上の為に採用された。
[編集] キングダム ハーツII ファイナル ミックス+
ジャンル | アクションRPG |
---|---|
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM 2枚 |
発売日 | 2007年3月29日 |
価格 | 7,980円(税込) 2,940円(税込) - アルティメットヒッツ |
対象年齢 | CERO:A(全年齢) |
売上本数 | 26万本 |
『キングダム ハーツII ファイナル ミックス+』(-ツー-プラス、KINGDOM HEARTS II FINAL MIX+)は、北米版をベースに追加要素を盛りこんだ英語音声版『キングダム ハーツII ファイナル ミックス』と、GBAで発売された『COM』の3Dリメイク『キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ』の2枚組で発売されたゲームである。
この英語音声版とリメイク作の2枚組により、特別版以上であるということを意味して『ファイナル ミックス+』とされた。野村はのちにこの2枚組について「あんな大盤振る舞いは二度とやれない」と語っている[1]。本作の英語音声版については、「日本語版を『ファイナル ミックス』のつもりで作ったので、どうしようか迷っている」[2]、「今回は『ファイナル ミックス』の制作予定はない」[3]といった発言が開発側から出されていたが、2006年9月に制作中であることが明らかにされた。
また、店舗予約特典としてハードカバー仕様のブックレット『KINGDOM HEARTS -Another Report-』が付属した。『KH1』のストーリーダイジェストや野村によるシナリオに関する謎についてのQ&A、天野シロによる描き下ろし漫画、金巻ともこによる書き下ろし小説などが掲載されている。
以下は『キングダム ハーツII ファイナル ミックス』における変更点である。『Re:COM』の変更点は当該項目を参照のこと。なお、オリジナル版『KH2』は日本版と北米版が並行して制作されていたため、その内容にほとんど差はなく、下に挙げる追加要素は英語音声以外は全てが『ファイナル ミックス』独自の追加要素である。
ちなみに今作は、キングダムハーツシリーズ最後のPS2版である。
- 音声が全て英語に
- 主題歌変更
- 日本語歌詞の『Passion』から、英語歌詞の『Sanctuary』に。
- イベント追加
- おもにXIII機関の会話と小説版を基にしたシーンが追加された。追加イベントは英語音声は無しになっているが、後述のシアターモードでは条件を満たすと日本語音声がついたものを聴ける。
- 新ダンジョン「追憶の洞(Cavern of Remembrance)」追加
- ボス敵追加
- オリジナル版ではイベントのみだったロクサス戦が追加され、またシナリオとは関係のない要素として、『COM』で消滅したXIII機関メンバーが「アブセント・シルエット」として登場する。そのほか、「追憶の洞」の奥にある端末を起動すると現れるモニュメントを調べるとXIII機関の強化再現データと戦える。また、全てのワールドをクリアしてストーリーをクリアすると、シークレットムービーに登場した鎧の騎士「留まりし思念」と戦えるようになる。
- これらボスの追加により、ボスを倒すと獲得できるボーナスレベルが10増加し、ドライヴゲージの上限はオリジナル版に比べ7から9に増加した。
- ザコ敵追加
- キノコ型ハートレス「XIIIキノコ」と、「追憶の洞」に出現する色違いのハートレス
- クリティカルモード(最高難易度)の追加
- 受けるダメージが2倍、与えるダメージが1.25倍、HP・MPの最大値が他のモードの半分となり、最初から強力なアビリティをいくつか所持した状態でスタートする。そのアビリティの中の「EXPゼロ」を装備すると獲得経験値が0になり、さらに難易度の高いLv1のままでの攻略が可能となる。
- ドライヴにリミットフォーム追加
- 『KH』のソラの服のカラーリングに似たフォーム。詳しくは前述。
- シアターモード追加
- イベントムービーを自由に閲覧できるモードで、本編クリア後に追加される。最初は英語しか聴くことができないが、『Re:COM』のリク編をクリアしたデータがあると英語と日本語の切り替えが可能になり、追加イベントに収録された日本語音声を聴けるようになる。なお追加イベントを除き、口の動き(フェイシャルモーション)は英語のもののみであり、またOPとEDも英語のみとなっている。
- クリスマスタウンに新コスチューム
- ワールド「ハロウィンタウン」のクリスマスタウン部分では、ソラ、ドナルド、グーフィーがクリスマス風コスチュームとなる。モデルはそれぞれサンタ・雪だるま・トナカイ。
- 音楽追加
- 前述のロクサス戦、アブセント・シルエット戦、留まりし思念戦、追憶の洞のBGMが追加。クリスマスタウンは既存のBGMが新曲に差し替えられている。
- サブゲーム「ピースパズル」追加
- 世界中にピースが散らばっており、集めたピースで『KH』のイラストのパズルが出来る。
- エンディング後にセーブ可能に
- 一度エンディングを迎えてからでないと出現しない要素もある。なおエンディング後にセーブできるのはシリーズ初である。
- 新シークレットムービー「Birth by sleep」追加
- 新武器、新アビリティ、新アイテムの追加
- バトルのバランス調整
- ハートレスのテクスチャ変更
- オリジナル版であったバグなどの修正
- 一部キャラクターの細かいテクスチャ変更
[編集] あらすじ
トワイライトタウンに住む少年ロクサスは、残り少ない夏休みを仲間のハイネ、ピンツ、オレットらと共に楽しく過ごしていた。しかし、この頃になって急に見知らぬ少年の夢を見たり、街で自分にしか見えない現象が起こったりと、身の回りでおかしなことばかりが起こる。そしてロクサスが本当の自分、過去の出来事の全てを思い出してソラと出会った時、彼の夏休みは終わりを告げた。
ソラ、ドナルド、グーフィーが眠りから覚めると、そこはトワイライトタウンだった。訳も分からず街を探索する内に王様と出会うが、列車に乗る様告げるとどこかへ消えてしまう。王様の命令のまま列車に乗ると、不思議な塔に辿り着いた。そこでソラたちは王様の師匠であるイェン・シッドから、世界に再び異変が起きていることを知らされる。ノーバディと呼ばれる怪物を率いるXIII機関が暗躍しているというのだ。ソラは3人の妖精に服を変えてもらい、装いも新たに、再び世界を駆け巡る冒険に出発する。
[編集] 登場キャラクター
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- 詳細はキングダム ハーツの登場キャラクターを参照。
- ソラ(Sora)
- 本作の主人公。1年前ハートレスから世界を救った、キーブレードに選ばれた勇者。闇の世界に残ったリクと王様を探し出し、故郷であるデスティニーアイランドに帰る為に旅を続けている。忘却の城でナミネによってバラバラにされた記憶の鎖を再生する為の1年の眠りから覚め、イェン・シッドの導きの下で新たな冒険に出る。未だ世界に溢れ返っているハートレスや、新たな敵ノーバディと激しい戦いを繰り広げる。名前の由来は「空」からきている。
- ロクサス(Roxas)
- トワイライトタウンに住む少年。友達と一緒に毎日を楽しく過ごしていたが、ソラの夢を見るようになってから、次々と異変が起こる様になる。物語の冒頭ではロクサスの夏休みが描かれており、プレイヤーが最初に操作するキャラクターでもあるため、この話が『KH2』のチュートリアルも兼ねている。ソラと同じようにロクサスもキーブレードを扱うことができる。
- ドナルドダック(Donald Duck)
- 1年前ソラと共に世界を救った、ディズニーキャッスルの王宮魔導士。ソラとはよく口論になるがとても仲が良い。今回もソラを得意の魔法でサポートすると共にソラの新たな力、ウィズダムフォーム、マスターフォーム、ファイナルフォームへの変身の手助けをする。
- グーフィー(Goofy)
- 1年前ソラと共に世界を救った、ディズニーキャッスルの王宮騎士隊長。人を傷つける武器を嫌う為、盾を装備している。のんびり屋だが意外に冷静で勘が鋭く、すぐに暴走するソラとドナルドのストッパーでもある。ソラの新たな力、ブレイヴフォーム、マスターフォーム、ファイナルフォームへの変身の手助けをする。
- 王様(King Mickey)
- ディズニーキャッスルを治める王で、本作ではXIII機関と同じ黒いコートに身を包んで単独行動をとっている。彼もまたキーブレードの勇者であり、闇の世界のキーブレードを所持している。ソラたちのピンチには駆けつけてその力を貸してくれるため、前々作、前作とはうって変わって出番が激増した。
- リク(Riku)
- ソラの親友。かつては闇に囚われソラと対峙した。闇をも自分の力とし自分を取り戻したが、アンセム(ゼアノートのハートレス)を心の中に抱えている罪悪感から王様の下を離れ、行方知れずとなっている。名前の由来は「陸」からきている。
- カイリ (Kairi)
- ソラの幼馴染である少女で、光の世界を支える「セブンプリンセス」の一人。生まれはレイディアントガーデン(後のホロウバスティオン)だが、ゼアノートの手によってキーブレードの勇者の元へ送り出され、ソラとリクの住むデスティニーアイランドに流れ着いた少女。デスティニーアイランドでリクとソラの帰りを待っていたが、ナミネがソラの記憶の鎖をほどいたためソラのことを思い出せないでいた。名前の由来は「海」からきている。
- ナミネ(Naminé)
- 絵を描いていることが多い、白いワンピースを着た謎の少女。ソラとソラに関わる者たちの記憶を操る力を持っている。ディズに協力している身だが、彼の意向に反してロクサスの前にたびたび現れ、彼に助言ともとれる行為を行っていく。
- ピート(Pete)
- 王様の永遠のライバルであるヤマネコ。かつては王様が船員を勤めていた船、ウィリー号の船長であった。ディズニータウンで悪事ばかりを働き、罰として異空間の牢獄に閉じ込められたが、マレフィセントの助けにより脱獄した。ソラたちの行く先々に現れ、ハートレスを使って悪事を企むが、そのほとんどがソラ達の手によって失敗に終わる。
- マレフィセント(Maleficent)
- 1年前にソラたちに倒された、強大な闇の力を操る魔女。しかしその野望を果たすべく、微かな魔力を頼りに一年の時を経て復活を遂げた。ピートを手下の様にこき使いながら、ソラたちへの復讐を目論んでいる。
- "闇の探求者"アンセム(Ansem, the Seeker of Darkness)
- 賢者アンセムの弟子・ゼアノート(Xehanort)のハートレス。危険な実験を繰り返し闇を求め続けた結果、自らハートレスになった。その後は自らの師匠の名を奪った上で無の世界へ閉じ込めた。自らを闇の探求者と称する。前々作でソラたちに滅ぼされた筈だが、今は黒いコートを着てディズに協力している。
- ディズ(DiZ)
- 自らを「Darkness in Zero」と名乗る人物。XIII機関に強い復讐心を抱いており、ソラを使ってXIII機関を滅ぼそうとしている。その正体はかつてのレイディアントガーデンを治めていた賢者アンセムで、ゼアノートの師でもあった。人の心の闇について研究している内にハートレスの存在に気付き、自らの弟子たちが危険な闇の実験を繰り返していることを知り、実験を止める様にゼアノートに命令するが、逆にゼアノートたちの手によって無の世界に追放されてしまった。闇の力を身に付けて光の世界に帰還した後は、ゼアノートのノーバディであるゼムナスが率いるXIII機関への復讐のため、闇の力で姿を変え、赤い包帯で顔を包み、「DiZ」という偽名を名乗るようになる。
[編集] XIII機関
詳細は「XIII機関」を参照
- 数々の世界で暗躍する、黒いコートを着た集団。ノーバディを支配・統率しており、彼らもまた特別なノーバディである。13人のメンバーで構成されていて、それぞれが専用の武器・司る属性・専属の配下ノーバディを持つ(ただし『COM』で登場し、そこで消滅した5人には配下ノーバディはいない)。全体的に戦闘能力が高い。
[編集] 声の出演
オリジナル版キャスト(日本語) / 『ファイナル ミックス』版キャスト(英語)の順。ただし『FM』でもシアターモードでは日本語音声を聴ける。
[編集] 登場ワールド
- トワイライトタウン(Twilight Town)
- 光と闇の狭間にたたずむ黄昏の街。近頃はロクサスの周りで奇妙な事件が多々起こっている。住人の写真や、写真という言葉そのものが奪われるという事件が発生し、犯人として疑われたロクサスたちは事件の真相を追う。そこでロクサスは普通の武器が効かない奇妙な敵と遭遇するが、その時彼の手にキーブレードが出現する。
- ホロウバスティオン(Hollow Bastion)
- ソラたちが降り立ったのは、1年前の冒険で魔女マレフィセントの根城となっていたホロウバスティオンだった。世界の変わり具合に驚いているところでレオンたちと再会したソラたちは、「ホロウバスティオン再建委員会特別会員」に任命される。協力を約束するソラだったが、そこへXIII機関のメンバー6人が現れた。
- ザ・ランド・オブ・ドラゴン(The Land of Dragons、作品:ムーラン)
- 古代の中国大陸。ソラたちは竹やぶで、1年前の冒険で力を貸してくれたムーシューと再会する。ムーシューが守り神を務めるファ家の娘ムーランが、家の名誉のため男装してピンと名乗り、フン族討伐隊に入隊するので、力を貸してほしいというのだ。ソラたちも一緒に討伐隊に参加し、国の平和をおびやかすシャン・ユーと戦うことに。
- ビーストキャッスル(Beast's Castle、作品:美女と野獣)
- 森の奥にそびえる古城。1年ぶりにビーストと出会うがその態度はそっけなく、バラを大事そうに抱えて自分の部屋にこもってしまう。ベルが言うには最近彼は様子がおかしく、召使いたちを城の地下に閉じ込めてしまったらしい。ソラたちは詳しい事情を聞くため、地下の幽閉された召使いたちに会いに行く。
- オリンポスコロシアム(Olympus Coliseum、作品:ヘラクレス)
- オリンポスから少し外れた冥界に降り立ったソラたちは、ヘラクレスのガールフレンドのメガラ(メグ)と出会う。ハデスの送る刺客との戦いに疲れ気味なヘラクレスを見かねて、ハデスに交渉しに行くのだというメガラ。彼女一人では危険だからとソラたちがそれを請け負うが、その頃ハデスは冥界の牢獄から罪人アーロンを呼び出し、ヘラクレスに差し向けようとしていた。
- ディズニーキャッスル(Disney Castle)
- ミニー王妃の願いに導かれるようにやってきたソラたち。平和の象徴であるはずの城になぜかハートレスが溢れていて、ドナルドとグーフィーも帰還を喜ぶどころではない。城を闇の力から守る「光の礎」が、マレフィセントの闇の力でイバラに囲まれてしまったのだ。ソラたちが事情をマーリンに話すと、マーリンは1つの扉を出現させる。
- タイムレス・リバー(Timeless River、作品:蒸気船ウィリー)
- その扉の先は、どこか懐かしいモノクロの世界だった。ソラたちがくぐった扉と同じものがもう1つ存在し、それを閉じればディズニーキャッスルの異変は解決するという。ソラたちはそこで過去のピートと出会い、彼がその異変の原因だと考えて懲らしめるが、人違いだと気付く。ソラたちはピートに謝り、そのお詫びとして盗まれてしまったというピートの蒸気船ウィリー号を探す。
- 100エーカーの森(100 Acre Wood、作品:くまのプーさん)
- マーリンが取り出したプーの絵本。ソラは内緒で絵本の中に入り、プーと再会を喜び合うが、何かが起こりソラは絵本の外へ飛び出してしまう。ソラがもう一度絵本の中に入ると、プーはソラや森の友達のことをすっかり忘れていた。ハートレスに絵本のページを千切られてしまったのだ。千切れたページを集めればプーは思い出すかもしれない。
- アトランティカ(Atlantica、作品:リトル・マーメイド)
- 1年ぶりにやってきた海底王国は、ハートレスやXIII機関の手の及んでいない平和な世界だった。しかしアリエルはソラたちと再会しても今ひとつ元気がない。アリエルが地上の人間に出会い、恋をしてしまってからずっとこの調子らしい。執事のセバスチャンはアリエルの気をそらすため、宮殿で開催されるミュージカルにソラたちを誘う。
- ポートロイヤル(Port Royal、作品:パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち)
- カリブ海の港町。ウィルという青年に出会ったソラたちは、バルボッサ率いる海賊が町を襲撃しているところに出くわす。ソラたちが足止めされている間に、海賊の船ブラックパール号は提督の娘エリザベスを拉致させ出航してしまう。エリザベスに思いを寄せるウィルは、一匹狼の海賊ジャック・スパロウと手を組み、海軍の船インターセプター号でブラックパール号を追跡する。
- アグラバー(Agrabah、作品:アラジン)
- ソラたちは、かつてジャファーの手下だったオウムのイアーゴに出会う。改心したのでアラジンたちとの仲をとりもってほしいという。早速ソラたちは、アラジンと相棒の猿アブーが商人から怒られているのを見つける。アブーが盗んだランプを商人に返すアラジンだったが、そのランプは1年前の戦いでジャファーを封じ込めたものだった。
- ハロウィンタウン(Halloween Town、作品:ナイトメアー・ビフォア・クリスマス)
- いつもハロウィン一色の街のはずが、明るい飾りつけになっているのに戸惑うソラたち。そこへハロウィン風のソリに乗ったジャックが颯爽と現れる。ジャックは偶然見つけたクリスマスに夢中になり、自分の手でハロウィン風クリスマスを作ろうとしていたのだった。クリスマスタウンのサンタクロースに会いに行くというジャックに、サンタに憧れるソラも同行する。
- プライド・ランド(Pride Lands、作品:ライオン・キング)
- 広大なサバンナの大地。降り立ってすぐハイエナの群れに囲まれてしまうソラたち。なんとか切り抜けたところでメスライオンのナラと出会い、スカーというライオンが王になってから国が荒れ果ててしまったと聞く。自分たちがなんとかできないかと考えるソラたちだったが、国を救えるのは王の資格を持つ者だけらしい。それは1年前の冒険で力を貸してくれたシンバだという。
- スペース・パラノイド(Space Paranoids、作品:トロン)
- ホロウバスティオンでアンセムが使っていたコンピュータの中の世界。コンピュータに乱暴な操作をしたソラたちは、メインシステムであるMCPによってコンピュータの中へ閉じ込められてしまう。牢獄の中にはセキュリティプログラムのトロンがいた。MCPに対抗するための力をDTDというデータエリアから得ようとしているトロン。リクたちの情報を得ようと思っていたソラたちは、トロンと共にDTDを目指す。
- 存在しなかった世界(The World That Never Was)
- XIII機関の本拠地。ノーバディたちの世界で、光と闇の狭間の世界。存在すら確かではなく、位置づけは非常に闇に近く、闇のにおいがそこら中に漂っている。ソラたちは、さらわれたカイリ、闇に染まったリク、そして光の世界の平和を取り戻すために、ダークシティの中央にある「存在しなかった城」に向かい、まだ残っているXIII機関のメンバーに戦いを挑んでゆく。大いなる心「キングダムハーツ」の月明かりの下で……。
[編集] PVの変更点
発売前に公開されたPVと本編の映像は若干異なるものや削除されたものがある。
- ロクサスが時計台を歩くシーン。PVでは顔が隠れるカメラワークだったが本編だと顔全体が映るような映像になっている。また、雑誌等は「ソラ似の謎の少年」と呼び発売直前まで名前がわからないようにしていた。しかし、関連商品を発売するにあたってロクサスの名前が表示されてしまい、事実上のネタバレとなってしまった。
- 街の中でロクサスがダスクを追うシーン。最後はダスクが建物の中へ消えるものだったが製品版ではカットされたようである。
- アクセル戦(トワイライトタウン2回目)。ロクサスとアクセルの会話自体が変更されており、映像も本編には無いアクセルの不敵な笑いなどがあった。
- ドナルドとグーフィーのやりとり。寝ぼけたグーフィーをドナルドが氷系魔法で起こそうとするが、外れて反射してしまい逆にドナルドが氷漬けにされるというディズニーらしいギャグがあったが、カットされている。
- トワイライトタウン・屋敷でのディズとアンセムの会話がカットされている。
- ホロウバスティオンの城にXIII機関が集結、機関メンバーの一人に向けてキーブレードを振りかざすソラなどがカットされている。ディレクターの野村の話では、ソラがキーブレードを振りかざしたその人物はディズと話していた人物(=アンセム)と同一ということだったが、変更されている。
- トワイライトタウンで王様に助けられる時のソラの衣装。発売前のPVでは『II』のものになっていたが、製品版では初代(I)の服の状態だった。
- 闇の世界の浜辺にてソラがキーブレードを振りかざすシーンがカットされている。
- ホロウバスティオンでの群集バトル。PVではいたベヒーモスやワイバーンが製品版ではいなくなっている。また、PVではドナルドとグーフィーも一緒に戦おうとしていたが、本編ではソラ一人である。
- 存在しなかった世界、記憶の摩天楼でのシーン。ソラたちがサムライに囲まれ、サムライが一斉に刀を構え、ソラと機関メンバー(ロクサス)がキーブレードを交えるというものがあったが、本編では変更されている。
- ロクサスの「俺には、よくわからないんだ。この世界が、本当に、本物なのか……」という台詞。1のOPでのソラの台詞とリンクしている意味深な台詞だが、製品版で聞くことはできない。
以上から、初期のPVから完成に至るまではかなり内容が変更されたことがわかる。また『KH2FM+』のPVにおいても、追加ムービー内で英語で話しているシーンがあるが、製品版に英語は入っておらず、日本語でしか聞く事ができないという点がある。
[編集] 主なスタッフ
- ディレクター:野村哲也
- コンセプトデザイン:野村哲也
- シナリオ原案:野村哲也
- シナリオ:野島一成
- メインプログラマー:原田弘、安井健太郎
- アートディレクター:大館隆幸
- キャラクターデザイン:野村哲也
- 音楽:下村陽子
- プロデューサー:橋本真司
- 主題歌:『Passion』(作詞・作曲・歌:宇多田ヒカル)
[編集] 関連作品
[編集] 誤植
オリジナル版において、エンディングのスタッフロール中、
- 片岡富枝→片岡冨江
- 大和田伸也→大和田信也
上記の誤植が確認される。また、ジミニーメモでは映画『ムーラン』の公開年が1992年(実際には1998年)と誤りがある。
[編集] 東京ディズニーリゾートとの関連
- 本作には東京ディズニーシーの人気メニュー「シーソルトアイス」が登場した。しかし、実際に販売されているものはゲームに登場したようなバータイプのアイスキャンディーではなく、貝殻型のケースに入ったバニラアイスである。
- また、東京ディズニーランドのハロウィンイベントでの仮装の注意点のイラストに、ソラの衣装の一部が載っている。仮装はディズニーアニメーションもしくはアトラクションに登場するキャラクターのみが可能であり、キングダムハーツシリーズの仮装は認められていない。
- 「ストームライダー」という名前のハートレスが登場するが、同名のアトラクションが東京ディズニーシーにある。
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